一昨日の広告代理部門の終日会議は、
外部環境よりも社内の問題、
おもにスケールデメリットに焦点を絞って話し合いました。
創業来拡大し続けてきた当社の広告代理事業本部は、
現在社員数500名強、売上は全体の半分の約400億円です。
規模の拡大とともに発生する問題を早期に発見し
対処してきたつもりですが、現在はブレイクスルーすべき
壁にぶつかっていると思います。
いま私が気になっているのは、規模の大きさが故の他力本願です。
多人数の組織に属していると「自分がやらなくても誰かが・・」
みたいな安心感から、緊張感を失いがちです。
それは当社にももちろんあると思います。
しかし、それ以上に危惧しているのは、
専門部署や専門家が増えたことで、個人の成長機会が
失われているのではないかということです。
ミーティングやアポイントに大人数で、
「メディアAの専門です」
「メディアBの専門です」
「モバイルの専門家です」
「SEMの専門です」
「クリエイティブの専門です」
「マーケティングの専門です」
「技術の専門です」
「上司です」
「その上司です」
「そのまた上司です」
と、うじゃうじゃ参加していると、一見頼もしい気がしますが、
たとえば営業だとすると、技術とクリエイティブはともかく
(本人ができれば尚良いですが)
モバイルやメディアやマーケティングなんかは自分が全部やれ。
と言いたくなります。
なんとなく専門部署の人を連れてくることで仕事が終わって
しまうと、本人が勉強する機会を失ってしまい、
セッティング職。みたいになってしまいます。
人間はその気になれば何にでもなれるのに、
素養としては能力の高い人材を採用しているのに、
自分の能力を狭い範囲で決めつけてしまうべきではないです。
もちろん、大人数で取り組むべき規模の仕事もありますが、
それがコストに見合っているのかも、個別に判断すべきです。
伝言ゲームによる時間のロス、仕事のミスも考えられます。
多人数が関わることによるスピードの遅れは深刻です。
そうなるともう所謂大企業病です。
そんな状況に陥ったとき、自分が会社にひとりしかいない場合、
どこまで自分でできるか、ひとり株式会社をイメージすると
大組織の中で失われている自分の可能性は何か、
を紐解くことがでできると思います。
同じ商売をひとり株式会社で何でもひとりで切り盛りしていると
あれもこれも自分でやるしかなくなるので、
たくさんの成長機会を得ると同時に、
無駄なことをやっている余裕がなくなり、優先順位が見えてきます。
大きくなった組織を少しシンプルに軌道修正していきたい。
--------------------------------
「渋谷ではたらく社長のアメブロ」
http://ameblo.jp/shibuya/page-1.html#main
【スケールデメリット】2009年6月24日 より
組織として目指すべきなのは、きっとこのような姿なのだろう。
でも大きくなればどうしても分化していき、タコツボ化が起こる。
最適化といえばそうだが、横断的な視点を持つ人間がいなくなり、
全体思考をできる人間がトップしかいないという状態になる。
「他人事」という雰囲気が蔓延し、無責任がはびこる。
文句ばかり言って、改善しようという人がいなくなる。
効率と引き換えに、考えられる人、動ける人を失うという罠。
しかしサイバーエージェントの場合、(当然だが)個人の感情という面は
ピックアップされていない。嫉妬とか恨みとか。
そんなのを持つ人間は組織に何の利益ももたらさないし、社員もそんなこと
思うより結果を出すことだ、という意識があるのだろうか。皆大人だからな…
どうして部活ではそうならないのだろうか。
部活はたしかに部活でしかないが、勝利という目標を前にプロもアマもないし、男性も女性もない。
全員が同じような熱意で取り組まねばならない。もちろん各人のやりたいことは尊重すべきだ。
だがそれは、他人のやりたいことをさまたげることであってはならない。
それがチームの勝利につながるのであればなおさらだ。
もし抵抗するなら、なぜ抵抗するのか考えて欲しい。
それは勝利に結びつかないのか?ではどうすればよいのか?
勝利に結びつくのに抵抗しているなら、それはなぜか?
理由を考えよ。そしてどうすべきかを考えよう。
コメント
コメントを投稿