高校野球の代表校が続々決まってきた。西東京は日大三で、栃木は作新学院。神奈川は横浜。横浜はやっぱり夏強いなあ。勝ち方を知っているのかな。夏までにチームを仕上げる方法が確立されているんだろうね。 横浜高校主将の乙坂君が、優勝後のヒーローインタビューで「この3年間苦しいことしかなかった」と言ったらしい。直接は聞いてないけど、すごいなと思う。高校生の中でもおそらくトップクラスの体力と精神力を持った人間の口から「苦しいことしかなかった」と言わしめる生活って、どんなものなんだろうと思う。そういうのを乗り越えた人の言葉だから、相当なものだったんだろうなと思わせる。重みが違う。 彼らが乗り越えた3年間は、きっと今後すべての逆境を乗り越える力になるだろう。元西武の工藤投手の本にも、高校時代の経験が、その後の苦しい場面を乗り越える原動力になったと書いてあった。そういう自信が自分の中にあると、やっぱり強いなと思う。自分も横浜公庫言うとは比べ物にならないが、大学野球までやって、今の核となる経験をつめた。それは3年、4年という時間を重ねなければ手に入らないものだからこそ、持っている人が少ない貴重なものなんだろう。だから世の中タフな人は少ない。 いつか誰かに、学校でスポーツをやる意味は何か?みたいな感じで議論をふっかけられた記憶がある。社会人になってからこれに答えるなら、肉体的、精神的タフさと組織の中での行動規範を身につけられること、だと言うだろう。組織の行動規範というと、すぐ軍隊式だとか右向け右的な思考停止状態を思い浮かべる人がいるけど、それは全くの間違い。組織のために自分の立場で何ができるかを考えて行動する、上級生の立場から見て下級生に何をしてほしいかを考えて行動する、自分の能力と周囲の能力を比較して、どうすれば一番自分が貢献できるかを考えて行動するなど、常に周囲を見回して頭を使っていないと組織には貢献できない。ただ言われたことだけやっているのは組織人じゃない。もちろん言われたことすらできないのは人間ですらないが、組織の中での行動規範は高度な技なのであって、訓練しなければ身に付くものではない。だから学生のうちに訓練しておく必要がある。 横浜高校の選手たちは、きっと漢字はあんまり読めないだろうけど、それでも野球で培った行動規範と洞察力で、次の舞台でも自分の活躍の場所を切り開いていくんだろう