高橋俊介の最後の授業で、日本の高学歴フリーターの話題が出たので書き残しておこうと思う。高学歴フリーターが増えているのは3つの要因があるのだとか。
①企業
企業が年功序列のピラミッド組織・分業体制を維持するためには、内部の評価基準が絶対。外の世界で流通する評価基準(Ph.DとかMBAとか)を評価すると序列が維持できないので、むしろ大学で基礎的な学問とかやってくるな、ということになる。国鉄では麻雀に「国鉄ルール」というのがあって、大学でどんなに強くても絶対に勝てない仕組みになっているそうだ。その理由は「新人は下から入るもの」ということを徹底させるため。
②大学
大学で教えられる内容が、世の中のどこで役に立つのかわからないようなものだったり、そもそも基礎を軽視していたり、教え方が下手だったりと、大学の教育機関としての役割がなさすぎる。自分の専門を極めるのはいいが、それが世の中の役に立たなければ・食えなければ意味がない。そういう意識が大学になさ過ぎる。
③学生
特に大学院生は、専門性を極めるというより単なるモラトリアムを求めて進学する場合が多すぎる。学部卒でそのままMBAに進むなんてのはその典型で、そんなのはクソの役にも立たない。大学を出たら(現状では)まず社会に出てしばらくもがき、その後キャリアの方向性や、極めたい力を見定めた後に大学院などのプロフェッショナルスクールに戻ってくるべき。
どれも納得した。特に②、③。今自分がやっている自然言語処理なんかも、それ自体が役に立たないわけではないけど、そもそも何のためにやるのかという視点が欠けている場合が結構ある。その文書が論文か論文でないかを判定するためにベイズ統計の精度を上げる前に、そもそもそんなことする必要があるか?という視点から始めてみたい。先生があまりにもそういうコメントをくれないから僕がイライラしているだけかもしれないが…。上山研ではビシビシコメントをくれるそうで。まあうちの場合は学生からのフィードバックがその代わりなのかな。
③なんかは大学生にもあてはまる。大学進学率が40%あるってのはやはりおかしくて、そのほとんどは人口構成上大学に来るべきではない人のはず(韓国なんて90%近いらしい)。今自分が4年生になってみて、たしかに知識や精神的に大きく成長したとは思うけど、日本でもトップクラスと言われる大学にいて、成績も奨学金をずっと取るくらいに優秀で、この状況下で早々に内定ももらえて(他企業でもそれなりに評価されて)いるような人間でも、「この程度か…」と思ってしまう(自分を振り返ってですよ)。相当頑張ってきたつもりだけど。もちろん下と比べるつもりはない。下は際限がないから。
やはり大学卒なんてのは「序の序」だってことを認識しないとダメですね。それは大学院に行けばいいということではなくて、これから日々鍛錬していかないとダメだということ。職場含めた日常で鍛えていかないと後は自分が腐っていくだけだと思う。そういう意味では、ドッグイヤーのIT業界に行けるのはよかったと思う。
あとは腐るだけ、昔を懐かしむだけの中年には絶対になるものか。
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