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寧静夏日 quiet summer をいつか撮りたい

7月になりました。2009年も折り返し地点を過ぎ、終わりが始まろうとしています。2009年の総括を始めるには早すぎますが、その準備を始めるには早くないと思います。といって、振り返るといつもそこには野球と、それにまつわる二、三の事柄が存在しますので、今はそれ以外の事柄について書き残しておきたいと思います。それは研究会についてです。

僕にとって研究会とは何だったのでしょうか。勉強の場か、はたまた苦行か。大学2年のときに石崎研(認知科学)に入り一年間を過ごし、3年になってから藤田修平研究会をとるため石崎研を自然言語処理に鞍替えし、結局藤田研では映画が撮れず、今にいたるという感じです。僕の中では藤田研できちんと映画を撮れなかったというのが、のどに刺さった小骨のような感じになっています。しかし、藤田研で得たことは実は非常に大きかったのではないか、と今になって思います。ということで、今回は研究会といってもわずか半期しかいなかった藤田研について書こうと思います。

藤田修平研究会「ドキュメンタリープロダクションⅠ」は、初心者向けドキュメンタリー映画撮影研究会でした。要するに映画を撮るための研究会で、ドキュメンタリーの歴史をちょっとやり、技法をちょっと学び、最後は撮りに行くというのを13回でやるのです。実際は授業外作業が必須ですが…。僕は押井守が大好きだったということもあり、だったらドキュメンタリーではないだろという思いもありつつ、これを逃したらもうないだろうなという強い思いもあって履修したのです。今思えば無謀。しかし計算していたら絶対に履修できない研究会です。

SONY製の大きなカメラを持ち、ガンマイクをさし、ヘッドフォンをつけ、マニュアルフォーカスで固定し、ホワイトバランスを気にし、構図を意識し(日の丸構図にしない!)、等々、実に色々なことを気にしなければいけないということを知りました。映像を撮るというのは知識ではなく、技なのだということを知りました。そして何よりも大きかったのは「お前は何を撮りたいのか?」ということ。技法を学ぶだけならGoogleで調べればよい。でもドキュメンタリーを撮るには、「これでなくてはならない」という強い想いが必要となります。しかもそれだけではダメなのです、藤田先生が繰り返し仰っていたのが

「なぜ私たちはそれを観なくてはならないのか?」

ということでした。作者にとっては重要でも、観客に観る必然性を与えられなければならないということです。ドキュメンタリーというと作者の強い想いだけあればいいのかと思っていましたが、そこに時代の要請というか、受け手のことを考えないとダメだということを知りました。「なんで映画でやるんですか。テレビでやればいいじゃないですか」っていわれた気がしますw

僕はちなみに慶應義塾高校野球部のマイナーを取材しようと思って相談しましたが、あえなくボツ。理由は「慶應に通える時点で普通の高校生じゃない。もっと面白い対象があるでしょう」とのこと。ちなみに先生は女子野球部を猛烈に推していた気がします。でもそうすると埼玉まで撮りにいくのか…という危惧があったので、結局工業高校の夜間野球部で行こうと決めました。僕の中では世田谷工業にしようかと思ってました。神奈川工業は普通に強いのでパス。しかし…

撮影は平日夜と土日。しかし主務の仕事で土日は一日ダメ、平日も他の授業で厳しい。。しかも当時は早慶戦の準備で別件の撮影もあり(結局これもボツになりましたがw)、毎週月曜日にカメラをかかえて試合をした東伏見からSFC(2時間半!!しかもそこから家に帰るので計4時間!!)に返却に向かうという日々にすっかり疲れてしまい、10回目くらいで行かなくなってしまいました…。当時は結構ショックで(まあ就活が始まる気配だったからまぎらわせたけど)、藤田先生に悪いなぁとか思ってました(こういう学生は一杯いるんでしょうが)。

でもこれで学んだことって結構あります。①自分の問題意識、最優先事項を常に意識すること②それは他者にとってどの程度重要なのか認識すること③最優先ではないなら、どうすればなるのか考えること
これってドキュメンタリー映画に限らず、どんなことでもあてはまるものではないかと思います。実際、今この3つが僕の野球において役にたっているわけですし。特に②、③というのは、映画という「他者」を意識するものを扱ったからこそ身に染みて感じるのかもしれません。

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