『ハイ・コンセプト』を読了。タイトルから想像していたのとだいぶ中身が違ったというのが一番の感想。もっと具体的な事例ばかりを取り上げているのかと思いきや、産業構造の変化をまず取り上げ、そこで必要となる個人の素質を丁寧に解説し、補足として具体例を入れていくというつくりだった。もっと早く読めばよかった。内容としてはアルビン・トフラーの『富の未来』とか、奥出直人の『デザイン思考の道具箱』とかで読んだことの総合みたいな感じ。しかし、改めてこれからの時代には何が必要かということを確認することができた。数学や経営学ではなくデザインとか認知とか、人を知り、総合的に考える力が必要なんだなと。というかいわゆる理系人間(専門バカ系)とかMBA野郎とかはもう世の中に溢れているので(しかもそれで世の中は行けるところまで行ったので)、そうではない人間が必要だということだろう。
「その道のプロ」というのがこれからは変わっていくのだろうな。ただただ現場で長く働いて慣行に慣れきった人ではなく、この事業はどうあるべきか、世の中的にどうなって欲しいかということを色々な側面から考えられる人でないと生き残れないのだろう。ただ真面目に全力で働く人はインドや中国にたくさんいる(しかも低賃金で)。彼らより高給をとる人間として、より生産的で創造的な力が必要となるのは当然だということ。すごく安っぽい表現だけど、先進国で働くということは、皆が皆イノベーターであり、アントレプレナーである必要があるのだろう(もちろん職場によって違うけど)。
部活では安易にイノベーターになるのは危険だけど。敵ばかりつくって何もできない。敵はいない方がいい。
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