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イノベーターを凡人が受け入れることはできない

と大河ドラマ「太平記」を見てて思いました。なぜ太平記か。高師直がイノベーターであると思ったからです。

ドラマでは描かれませんが、高師直は南北朝の動乱の最中、武士の合戦で画期的とも言えることを生み出したそうな。それまでの時代、戦功を認めさせるために打ち取った敵の首を持ち帰ることが必定だったものを、高師直は周りの人間に首を見せて確認させたのちは、首を打ち捨ててよいとしたそうです。(分捕切捨の法) それまではとった首を腰に下げて戦ってたらしいですが、これによって身軽になり、強かった師直軍はますます強くなるということになったことでしょう。くわしくはWikipediaを参照のこと。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B8%AB%E7%9B%B4

でもこういうことを考え出す高師直だから、他にもいろいろと常識にとらわれないことをやってしまうわけで、結果的にはそのせいで殺されるわけです。婆娑羅大名と言われる所以ですが、こういう人は公家だけでなく他の武将にも受けが悪い。仮に師直が戦国時代にいたら、織田信長とか豊臣秀吉なみの武将になっていたかもしれないのに、時代が悪かった。

見てた大河ドラマはあと「義経」がありますが、ここでも主人公である源義経は突飛な戦術を使う人、兵法を知らない人として眉をひそめられています。特に壇ノ浦の戦いで船の漕ぎ手に矢を射かけるところは、味方からも非難が起こる描写がありました。それまでの戦いでは船の漕ぎ手を殺すことはなかったんですかね。今となっては謎ですが、戦いに勝つために常識にとらわれない戦法をとった結果、源頼朝に睨まれることにもつながりました。
※実は他にも義経は合戦の方法を変えているんだそうです。それまで騎馬は1対1でしか使われなかったそうですが、騎馬武者の集団で突撃という戦法をとったのは義経が最初だそうです。これはその後の常識になりました。

表題になりますが、高師直や源義経のようなイノベーターを、凡人が理解し、受け入れることはかくも難しいということを感じました。彼らが行ったことひとつひとつであれば、まだなんとか受け入れられるかもしれませんが、イノベーターは凡人が理解できるような範囲に収まる人間ではない。高師直だって源義経だって、「こいつは理解できない」「何か悪事を企んでいるのではあるまいか」と訝られ、最期を迎えるわけです。

最近ニュースを見ていて、人事部の人とか経営者が「イノベーティブなひとを採りたい」みたいなことを言ってまして、「それは無理だろ」と思ったのが上の理由なのでした。特に大企業のサラリーマン社長とか人事部長には無理です。自分たちが理解できる範囲のイノベーターは偽物です。イノベーターは変人、狂人、悪人と紙一重にしか見えないはずです。みんな大好きスティーブジョブズだって、エピソードだけ聞いたら極悪人にしか思えないはず。でも結果としてはすばらしい企業人だった。

イノベーターを見抜けるのはイノベーターだけである、というのが私の考えです。凡人はイノベーターになる事を夢見たり、そういう人をスカウトしたりしようとせず、凡人が束になってつくる最強組織を考えたり、その中で立ち回る術を考えたりするほうが有益であると思います。

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