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夫婦のアジャストについて -互いの理想をぶつけ合うのではなく-

前回の投稿で考えた、「私がOKと思うことがそこでOKとなるかはわからない」という問題、あるあるだなーと思う反面、自分がそういうシチュエーションに遭遇しない限り絶対にわからないなという風に思う。頭ではわかっていても、それがどういうことなのかがリアルに想像できない。何を言われてどう感じるのか。解決するために何をしなければいけないのかという。本にはだいたい具体的にどうしろとは書いていないので、皆が皆苦しみながら自分なりの解決方法を探していくことになる。

会社の場合、やはりその会社の方法というのは意味があるので、自分がアジャストしていく必要がある。よそ者としていうべきことを言う、変えるべきことを変えるという役割もあるが、それとアジャストするのとは別問題だ。転職者の場合、アジャストしなくてはという明確な動機があるので、問題に対しては主体的に取り組むことができる。だから「この人のOKの基準はなんだろう?」「ここでの正解はなんだろう?」というのがとっかかりになる。仮に会社の人が言語化できなかったとしても、話しあうことでこっちが何に悩んでいるかを伝えることはできる。まあ、それも一回どっかで失敗しないとそうそう付き合いの浅い人たちにそこまで主張できねえよという気もするが(私みたくあんまりコミュニケーションが得意でない人間にしてみれば)。

でもそれが超難しいところもある。もっとも身近な例としては、夫婦間の家事分担があるのだろうか。私は男なので世間でいえば家事をしない側と言われるが、私のケースでは8割以上夫側が家事をしている。料理だけは嫌いなのでしないが、掃除(風呂掃除ふくむ)、洗濯(干す・畳むまで)、ゴミ出し、洗い物、など全部やる。家で必要なもの(トイレットペーパーとか洗剤とか)もなくなったら買ってくる。別に一人暮らしをしていたわけではないが、実家暮らしのときから家の手伝いをさせられ、親からも「男といってもこれからは家のことができないとダメだ」と言われて育ったので、何をすべきかはわかっている。もともと綺麗好きということもあるのでまあ苦ではないのだが、結婚当初は多少妻とも衝突した。

この問題が転職におけるアジャストと違うのは、夫婦間で主従がないからだ。家事において、どっちかに従うなんていうのはない。たいてい妻に夫が従う形になるようだが、それって何の解決にもなってない気がする。妻は相変わらず「指示しなければやってくれない」「主体性がない」と言い、夫は「結局やってもダメ出しされるならやらない」「そんなにいうならお前がやれ」となる。これを会社で言えればなw

夫婦っていうのはパートナーシップなんだから、どっちかの意見が最後に勝つ、じゃないはずで。別にどっちかが折れる必要なんかない。話し合って、どうすれば2人とも楽で、幸せになれるのか?を議論すればいいのだが。それができない夫婦はとても多いみたいだ。私は夫側なので夫の立場でしかものを見ていないが、今30歳前後の若い世代でも、女性が家のことをやってほしい、男は不得意だからみたいに、安易に考えてしまう人は多いみたいだ。まあ、商社マンとか電通マンだったらしょうがねえよという気もする。上から下までそういう人しかいない組織だし、そこに憧れるんだから。

面白いのは、女性でこういう会社に入って、そこの男性がどういうタイプかわかっているはずなのに、社内結婚して夫にすごい文句言ってる人。なんで女性がキャリアと家庭でどっちかを取らないといけないの、男はそのまま続けられるのに!みたいにキーとなってしまう。広告代理店は女性の力が活きるはずなのに、世の中おかしい、男性はもっと協力的であるべき、みたいにわーっと意見を言っている。気持ちはわかるが。

でもねえ。女性が決断を迫られる裏には、決断することすら許されない男性がいるわけなんで。しかも広告代理店の男がどういうタイプかなんてわかってるでしょう。そこで旦那を見つけておいて、家事やれ育児やれこの会社はおかしいとかいうの、まあ言ってもいいけど報われないんじゃない?と思う。別に誰もあなたに広告代理店で働いてくれと言ってないんだから、辛ければやめればいい。仕事を続けたければ、夫に仕事を辞めてもらうか時短になってもらって自分がフルタイムでやればいいし、そういう夫を見つければいい。そういう選択肢がすっぽり抜けている(か意図的にスルーしている)のを見ると、「結局自分でも結婚をある意味逃げ道と捉えているんじゃない?」とちょっと嫌味な見方をしてみたくもなる。

「なんで女性ばっかり!」と夫に言って「じゃあ俺仕事辞めて家事も育児も全部やるわ!君はキャリアを存分に追いかけてよ!」と言われたらどうするんだろう。たぶん「信用できない」「絶対家事なんて無理」とか言い出すんだろうな。やらせてみなきゃわからないのに!でも本当にパートナーならそういうことを話し合うべきだし、そういう関係性がベストのはずだよね。どっちかのあるべき姿を追いかけてどっちかが消耗するのではなく、2人にとってのベストが一番なのだから。そりゃそれまでの行いで家事育児に信用を持てなくても、だからといって家事育児仕事全部妻側がやったら死ぬことはわかりきっているわけで。頭を使えば夫にどれだけやってもらうかしか方法はないことはわかる。だから夫が仕事辞めて他全部やるなんて申し出があれば、本当にキャリアを追求したい女性にとっては渡りに船なんじゃないかなー。「給料が…」というならしょうがない。しっかり話し合ってください。話し合えないような男と結婚するのは間違いですとしか言えない。ちなみにうちでは、「もう家事については一切考えなくていい。自分で出したゴミはゴミ箱に、洗濯するものは洗濯機に入れてくれ。自分のことだけちゃんとやってくれ。」とまるで高校生の息子にいうようなことを妻に言っている。それでもけっこうできていないのだが…

妻も最初は自分の思う妻像を追いかけようとしていたが、「自分の母世代とは時代も違うし自分のタイプとも違うのだから無理して同じことやろうとしないでくれ。ラクしてできるように考えてくれ」となんども言って、食洗機も買ったし食事もOisixのキットを買うようにした。今年中にロボット掃除期と洗濯乾燥機も買いたい。家事なんて同じ結果になれば誰がやってもいいんだから機械の力は頼りまくる。それを、意外と女性は自分でやることにこだわっているケースが多いみたいね。できないのに!(能力というか時間的に)

まあ家事の場合仕事と違って、どっちにも「こうあるべきというイメージ」が強くあるから別の辛さがあるのかもなー。でもそのイメージって自分が子供時代にできたものなので時代にあっていないことがほとんど。仕事では偉そうに「働き方改革」とか「AI」「RPA」とか言ってるのに、家庭では「料理はちゃんとつくるべき」とか言ってるとお前はアホかと思う。べきとか言ってんならテメーがやれってんだよ。コンビニ飯毎日食ってても死なんわ。

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