去年も行ったのだが、今年も母校SFCのORFに行ってきた。高校3年のときに六本木ヒルズまで行った記憶があるけど、2011年からはミッドタウンで開催している。
https://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/
ORFというのはSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の研究発表の場みたいなもので、学部(環境情報、総合政策、看護医療)と大学院(政策・メディア、健康マネジメント)の研究室が一同に集結している。ブースにポスターがあったりするいわゆるなものから、実際の動くもの(webサービス的な)やアートワークみたいなものもあり、いろいろやってるなーという印象。私自身は学部時代にORFに出なかったので、羨ましい気がかなりある。
実際どんな感じだったのかはここのブログ記事が詳しい。
https://partner-web.jp/article/?id=1827
卒業してからwebサービスの世界にいるので、やっぱり環境情報系のブースに惹かれるものがあった。インターネットの根幹を支える村井研をはじめ、実際に小さいチップをつくってる三次研など面白そうだなーと思った。自動運転をやってる大前研なんかは、これDeNAとかと何が違うんだろう?と思って聞いたら、使ってる機械学習やら画像認識やらのフレームワークは一緒らしい。藤沢市で実証実験ができていることや、市販されている車を改造して自動運転車にしているところが特徴ということだった。ふーん。
いくつかは「ん?」と思うものもあった。清木研とかはたしか何年も前からなんとかデータベースみたいな研究をずっとやっているはずだが、今年も出していて「何が変わってるんだろ?」と正直思った。結構ふつーにいけてる感じの学生がブースにいたのだが、本当にこの学生たちはデータベースに興味あるのかしら?と思ったり。前職時代に大規模イベントを開催するときなんかはDBやらファイルサーバがボトルネックになったので一生懸命勉強したが、研究の領域では違ったものがきているのかなー。
あとは電子政府についてとか。電子決済が今後業務で関わってくるのでいろいろ聞いてみたが、SFCにおいて調べて終わり、というのはちょっと価値が下がるなーと思った。自分で実験したり、ものをつくれないと聞いてて面白くない。(自分にも言えるな、と胸が痛い)あとは、「電子決済で実際使ったことありますか?なんとかペイとか」と学生に聞いてみたら使ったことないですと。クレカを持ってない大学生はそんなもんというのはわかるが、頭がいいぶん自分でやってみる、という風には思いづらいのかなと思った。自分も含め。思考が高速なので手を動かすのが億劫になりがちなんだよね。
全然自分の業務とは別だけど面白いなーと思ったのがデジタル衣服をつくっていたところ。水野大二郎研究室だったかな?服にセンサーとかいれてどうこう、というのは私の頃は脇田玲研究室がやってたけど、当時は色の変わる布とか、せいぜい素材レベルだったのが、今回は本当にちゃんとドレスみたいな服になってて感動した。昔はこういうのみて「だからなんやねん!」と思っていたけど、今はちょっと感じ方が変わった。こういう「だからなんやねん!どう使うねん!」なんだけど、自分がやりたくて作ってみることが大事で、それをもとにお声がかかるようになるんだろうなーと。そこが本当に最初のステップだ。
自分だと何が当てはまるのかなーと思い、高校や大学のころ何にはまっていたか、感動したか思い出してみた。SFCの学部時代に限定すると、一番感動したのは山中俊治先生の授業で、自身がデザインしたSuica用自動改札ができるまでの話だった。非接触型ICカードで改札を通過させるために、どういう風にデザインすればいいだろう?という、誰も答えを持ってない問いにどう答えるか。何に感動したかというと、その「実際にものをつくってみて、人の動きをみて考える」というところ。アジャイル開発に通じるその発想に感動したんだよな。天才が「これだ!」と決め打ちでつくったわけではなく、山中さんも答えを持ってなかったから、タッチする部分の角度も、凹みも、光り方やタッチ面の文言ですらいくつもパターンを作ってどれが一番いいか考えるというアプローチ。これだ!とすごい思った記憶がある。
人間の仕組みがわかってれば簡単なんだろうけど、わかってないからつくってみて確認するしかないという。人間の仕組みそのものにも興味が出たし、そういうものづくりのアプローチも面白かった。当時はITのこと何にも知らないのでこれがアジャイルだというのもわからなかったが、結局今になってシステムズアプローチだったりプロジェクトエンジニアリングの研究会に出てそういう手法の勉強をしていると、繋がっているのかなーと思ったりする。地味だが。
でも慶應SDMのワークショップとかで勉強した標準とかルール的なものって辛いんだよね。守らせないといけない。どうしても管理みたいになっちゃうとつまらないんだよな。前職の開発で面白かったのは、早く出してフィードバックがすぐくることだった。2chでボロカスに叩かれたりもしたけど、あーそう考えるのね、というのはやっぱりお客さんだから。上司じゃないから。上司が正しいとは限らないというのは組織論でも言われることだが、それを証明するのは部下じゃ難しい。お客さんにやってもらうのが一番いい。
話がそれたが興味があったもの、覚えているもの
・Suica自動改札のデザイン(ものづくりの方法論が面白かった)
・モダニズム美術史(アクションペインティングとかがいかにして芸術になったか。適当でも狂気でもなく明確な意図や勝算があったのに驚いた)
・キュリオシティドリブンという言葉(山中さんの授業でゲストにきたグエナエル・ニコラさんという建築家が言ってた言葉。これからは作り手の興味で動くんだよみたいな)
・インターネットの仕組みとコミュニティ(村井純さんの授業全般。会社とか大学に閉じるんじゃなく、みんなで協力して未来を作っていく感じがすごいいいなーと思った。貢献という感じで)
・高橋俊介さんのキャリア論(これからはキャリアを計画することはできない、だったり、大企業で若手に任せられる仕事が減ってきているだったり、なんとなくだけど「やっぱり若い会社なのかな」と刷り込まれたような気がする。でも何より先生の喋りが面白すぎた)
感動するくらい覚えているのはこんなくらいか。
ウォール街の帝王的に、自分がうなるほど金を稼いでヒャッハー!という生き方にはあまり興味がなく(お金はあったほうがいいが)、それよりも時代を動かすような大きな波に乗りたい、その場所にいたい、当事者になりたい、という思いの方が強かった気がする。インターネットの創始者の話を村井さんが話すときなんか「すごいなー。いいなー。」と素直に思ったし。でもそれは、前職時代にいろいろエポックメイキングな出来事を当事者として体験して、ある程度かなったのかもしれない。これからもやっていきたいが。
研究として何をしたいかは模索しないとなー。SFCの領域でいうと、「認知・意味編成モデルと身体スキル」「エクス・デザイン」に関わりそうかな。
https://www.sfc.keio.ac.jp/gsmg/education/program/
https://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/
ORFというのはSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の研究発表の場みたいなもので、学部(環境情報、総合政策、看護医療)と大学院(政策・メディア、健康マネジメント)の研究室が一同に集結している。ブースにポスターがあったりするいわゆるなものから、実際の動くもの(webサービス的な)やアートワークみたいなものもあり、いろいろやってるなーという印象。私自身は学部時代にORFに出なかったので、羨ましい気がかなりある。
実際どんな感じだったのかはここのブログ記事が詳しい。
https://partner-web.jp/article/?id=1827
卒業してからwebサービスの世界にいるので、やっぱり環境情報系のブースに惹かれるものがあった。インターネットの根幹を支える村井研をはじめ、実際に小さいチップをつくってる三次研など面白そうだなーと思った。自動運転をやってる大前研なんかは、これDeNAとかと何が違うんだろう?と思って聞いたら、使ってる機械学習やら画像認識やらのフレームワークは一緒らしい。藤沢市で実証実験ができていることや、市販されている車を改造して自動運転車にしているところが特徴ということだった。ふーん。
いくつかは「ん?」と思うものもあった。清木研とかはたしか何年も前からなんとかデータベースみたいな研究をずっとやっているはずだが、今年も出していて「何が変わってるんだろ?」と正直思った。結構ふつーにいけてる感じの学生がブースにいたのだが、本当にこの学生たちはデータベースに興味あるのかしら?と思ったり。前職時代に大規模イベントを開催するときなんかはDBやらファイルサーバがボトルネックになったので一生懸命勉強したが、研究の領域では違ったものがきているのかなー。
あとは電子政府についてとか。電子決済が今後業務で関わってくるのでいろいろ聞いてみたが、SFCにおいて調べて終わり、というのはちょっと価値が下がるなーと思った。自分で実験したり、ものをつくれないと聞いてて面白くない。(自分にも言えるな、と胸が痛い)あとは、「電子決済で実際使ったことありますか?なんとかペイとか」と学生に聞いてみたら使ったことないですと。クレカを持ってない大学生はそんなもんというのはわかるが、頭がいいぶん自分でやってみる、という風には思いづらいのかなと思った。自分も含め。思考が高速なので手を動かすのが億劫になりがちなんだよね。
全然自分の業務とは別だけど面白いなーと思ったのがデジタル衣服をつくっていたところ。水野大二郎研究室だったかな?服にセンサーとかいれてどうこう、というのは私の頃は脇田玲研究室がやってたけど、当時は色の変わる布とか、せいぜい素材レベルだったのが、今回は本当にちゃんとドレスみたいな服になってて感動した。昔はこういうのみて「だからなんやねん!」と思っていたけど、今はちょっと感じ方が変わった。こういう「だからなんやねん!どう使うねん!」なんだけど、自分がやりたくて作ってみることが大事で、それをもとにお声がかかるようになるんだろうなーと。そこが本当に最初のステップだ。
自分だと何が当てはまるのかなーと思い、高校や大学のころ何にはまっていたか、感動したか思い出してみた。SFCの学部時代に限定すると、一番感動したのは山中俊治先生の授業で、自身がデザインしたSuica用自動改札ができるまでの話だった。非接触型ICカードで改札を通過させるために、どういう風にデザインすればいいだろう?という、誰も答えを持ってない問いにどう答えるか。何に感動したかというと、その「実際にものをつくってみて、人の動きをみて考える」というところ。アジャイル開発に通じるその発想に感動したんだよな。天才が「これだ!」と決め打ちでつくったわけではなく、山中さんも答えを持ってなかったから、タッチする部分の角度も、凹みも、光り方やタッチ面の文言ですらいくつもパターンを作ってどれが一番いいか考えるというアプローチ。これだ!とすごい思った記憶がある。
人間の仕組みがわかってれば簡単なんだろうけど、わかってないからつくってみて確認するしかないという。人間の仕組みそのものにも興味が出たし、そういうものづくりのアプローチも面白かった。当時はITのこと何にも知らないのでこれがアジャイルだというのもわからなかったが、結局今になってシステムズアプローチだったりプロジェクトエンジニアリングの研究会に出てそういう手法の勉強をしていると、繋がっているのかなーと思ったりする。地味だが。
でも慶應SDMのワークショップとかで勉強した標準とかルール的なものって辛いんだよね。守らせないといけない。どうしても管理みたいになっちゃうとつまらないんだよな。前職の開発で面白かったのは、早く出してフィードバックがすぐくることだった。2chでボロカスに叩かれたりもしたけど、あーそう考えるのね、というのはやっぱりお客さんだから。上司じゃないから。上司が正しいとは限らないというのは組織論でも言われることだが、それを証明するのは部下じゃ難しい。お客さんにやってもらうのが一番いい。
話がそれたが興味があったもの、覚えているもの
・Suica自動改札のデザイン(ものづくりの方法論が面白かった)
・モダニズム美術史(アクションペインティングとかがいかにして芸術になったか。適当でも狂気でもなく明確な意図や勝算があったのに驚いた)
・キュリオシティドリブンという言葉(山中さんの授業でゲストにきたグエナエル・ニコラさんという建築家が言ってた言葉。これからは作り手の興味で動くんだよみたいな)
・インターネットの仕組みとコミュニティ(村井純さんの授業全般。会社とか大学に閉じるんじゃなく、みんなで協力して未来を作っていく感じがすごいいいなーと思った。貢献という感じで)
・高橋俊介さんのキャリア論(これからはキャリアを計画することはできない、だったり、大企業で若手に任せられる仕事が減ってきているだったり、なんとなくだけど「やっぱり若い会社なのかな」と刷り込まれたような気がする。でも何より先生の喋りが面白すぎた)
感動するくらい覚えているのはこんなくらいか。
ウォール街の帝王的に、自分がうなるほど金を稼いでヒャッハー!という生き方にはあまり興味がなく(お金はあったほうがいいが)、それよりも時代を動かすような大きな波に乗りたい、その場所にいたい、当事者になりたい、という思いの方が強かった気がする。インターネットの創始者の話を村井さんが話すときなんか「すごいなー。いいなー。」と素直に思ったし。でもそれは、前職時代にいろいろエポックメイキングな出来事を当事者として体験して、ある程度かなったのかもしれない。これからもやっていきたいが。
研究として何をしたいかは模索しないとなー。SFCの領域でいうと、「認知・意味編成モデルと身体スキル」「エクス・デザイン」に関わりそうかな。
https://www.sfc.keio.ac.jp/gsmg/education/program/
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